研究所で仕事をするうえでは、数学を学んできたことは非常にアドバンテージがあると感じています。例えば、ある程度研究が進んだので論文にまとめましょうとなった時に、数学と関連する2つの能力が役に立ちます。
1つは計量的に処理する能力です。経済や経営の分野には純粋な文系の人が多いので、計量的な手法に拒否反応を示す人もいます。わたしは数学をやっていたおかげで、知らない手法だとしても取組むことができます。もう1つは論文を組み立てる力です。論文は中学校で書かされるような作文とは要求される厳密性が全然違います。自分が考えているテーマを何度も逡巡してひっくり返して、「ここはおかしい」とか「この内容をもっと深めないと…」と考え続ける必要があります。そのような思考実験を繰り返す力は大学院時代に鍛えられたものです。